惜別・1824号車
IK-Stainless Trajectories/Bus/Thank you 1824TC

1824TC引退に寄せて
 音声合成・電光行先幕等の調査でお世話になっている関東鉄道自動車部1824号車(2001年式KL-MP37JK)が, 2021年3月中旬に除籍・廃車となりました. 同車は新製配置が水戸営業所であったものの, 2018年6月に土浦営業所に転属し, 以後2年9か月にわたり土浦・つくばエリアで活躍していました. 2019年9月・2020年12月と毎年末頃に重故障が発生し工場で叩直すなど入念な整備のもと着実に運用実績を固めていましたが, 経年には逆らえなかったようです. ちなみに担当者の洗車が一部で有名になっており, その他カスタムも多く(本来禁止の噂もありますが)時期により表情の変わる車でした.
写真・2019年9月
 先述の重故障に伴い2019年9月上旬にワンマン機器を撤去・空調装置の冷媒も撤去し残るはナンバーを切るだけの状態まで追込まれたものの, 各種部品を新調するなどして22日に無事復帰. 修理費用分を稼いでもらうとは言われたものの, すなわち今後同様の事態があればいつ廃車になってもおかしくない, 思えばこれが終わりの始まりだったのかもしれません. 新車然とした装備でも車体そのものは経年車ですから, 先を見通せないと思い復帰初日の22日から早速撮影することにしました.
 当時は(今でもそうですが)いすゞERGAにしか興味が無いので三菱ふそうエアロスターである同車には食指が動かず, 車輌そのものとしてはこれが初めての撮影という何とも間抜けな結果に. とはいえ磨上げられた車体は型式に興味がなくとも惹かれるものであり, この車を追うのは遅かれ早かれ必然だった気もします.
2019年09月22日@つくばセンター
復帰初日, 急な知らせに驚きつつ
2019年09月23日@桜川橋
終日阿見線と噂されていたので
2019年09月24日@烏山団地
折待ちでも磨く担当者
2019年09月25日@並木大橋
見辛いがレアな学園並木循環
写真・カスタムなど
 営業に支障のない範囲でカスタムを繰返した同車は, 引退の直前まで細部での変化を続けていました. 最終的な姿については次項に譲り, ここでは2020年秋頃の変化を見てみます.
2020年08月21日@テクノ大穂
正面+乗降側側面
2021年01月28日@土浦駅西口
主な変化としてはコンソールの「FUSO」
2020年08月21日@テクノ大穂
背面
2020年11月05日@筑波大学中央
背面窓ガラス右下に「冷房車」
ラストランイベント『1824TC地回り貸切会』
 通常車輌単位でのイベントは会社としては行わず, 引退記念に何かする, というのは専ら趣味者が勝手に開催するのが通例となっている模様. 時節柄大々的に告知することができなかった(そもそも担当者も近親者のみでの催行を希望していた)ため, 担当者含め10名弱での近隣旅行としました. こちらの貸切会では土浦の車, というテーマを設定し土浦エリア内での移動に留めました. 旅程は営業実績のあるものに則りましたが, 途中立寄る各ポイントではあえて廃止系統の行先表示を掲出することとしました. これは引退記念ではあるものの, 参加者が常連であることから, ここまできて普段見ている行先を出すことは野暮だろう, と判断したものです.
 なお, ルート選定上狭隘路は除外し, 大型車運用可能な路線のみとしました. フォトランを含めた経由地は営業便の発着の合間に滞在するようにし, 一般旅客が混乱しないよう配慮しました. 特に高架道では開催日(2021年2月21日)には定期発着便は存在していません.
1日は洗車から始まる 土浦駅東口. お手柔らかに 気付けばミラーには「Kantetsu」ロゴが 午前は阿見町内でフォトラン
県立医療大学. 阿見三区経由? 回転場で撮影会 烏山団地も経由 桜ニュータウンへ
奇跡的に黒ハブの角度がぴったり 普段は営業しない6国バイパスを走る 午後のフォトランは高架道 帰庫. これが最後の乗車でした
おわりに
 日頃よりデータ収集等で多大なる支援を頂きました担当者, また, 撮影会や貸切会の手配でお世話になりました関係各所に改めて御礼申上げます. 短い間でしたが(斯くいう私も若輩者ですが), 乗るだけでなく見て楽しい車を提供していただけたこと, 忘れることはないでしょう.